Case Study
事例紹介
食品加工業における経営革新
プロジェクト概要
食品加工業界中堅のC社は同族経営により製造と販売組織が別れていたため事業運営効率が低下し業績が悪化していた。まずは業務効率を部分的に改善するための物流コスト改善プロジェクトをスタート。その後に本質的な課題である製販組織を統合するべく再編プロジェクトに着手し、組織全体のマネジメントの革新と組織の統合を行った。
お客様の課題
- 物流コストが上がっていたため、収益性が低下
- 同族経営かつ分社化された中でのマネジメントだったためグループ全体の最適かつスピーディーな意思決定が困難
- グループ全体の事業効率化が進まず業績が下落傾向
取組内容
- 物流コストの改善
- 同族間の利害調整
- 組織再編とマネジメント体制の変更
プロジェクトのポイント
物流コストの改善
C社は財務上における経営的な問題はなかったものの、同族による経営のため、事業の運営効率が悪く、とりわけ物流コストが上がっていたためプロジェクトの最初に着手。顧客の要求にあわせた形での配送となっていたため、顧客のグループ分けを実施したうえで配送体制(配送ルート、配送時間等)を見直し効率化を図った。
同族間の利害調整
主要な役職者はすべて親族が担い、さらには世代も親子間、叔父や甥間といった2世代の格差があったため、製造と販売の組織の利害衝突に加えて、世代間での意思統一も難しい状況であった。また、グループ全体の最適かつスピーディーな意思決定ができず、組織間の調整も必要となり、業務効率が低下していた。そのため、経営に参画している親族全員を巻き込み、組織再編とマネジメント体制の変更を実施することで、効果的かつ効率的に企業運営を図っていくことを目標に検討を進めた。
組織再編とマネジメント体制の変更
製販の組織を統合するという組織再編、またそれに伴う新しいマネジメント体制の検討、同族間の利害調整に2年を要した。その過程では再編後のグループ会社の将来ビジョンの検討とあわせて、会社の将来の経営を見据えて、所有と経営の分離、縁故採用の廃止、同族役員も65歳定年など、一般企業と同じように適任者が経営する企業を目指した。
成功要因
圧倒的な推進力
何とか再編を成し遂げたいと思い、最後まで逃げずに社長とともに結果が出るまで根気よくプロジェクトを推進する姿勢。
利害関係者との交渉力
経営層の親族のしがらみの解決を行うため、一年に渡り親族間の調整を図った。途中、面会拒否などもあったがそれを乗り越え、合意形成に至る。
会社の将来設計への合意形成
親族の給与と処遇に納得感があるように調整した上で、会社の持続性を見据えた将来設計に親族が同意したこと。
プロジェクト成果
役員会で組織再編と新しいマネジメント体制の承認を得ることに成功し、これによりグループ全体の最適かつスピーディーな意思決定が可能となった。また、効率的な事業運営が可能となったことで、事業は順調に推移している。